台湾に移住したばかりの頃、Youtubeで偶然見つけた
大連のコールセンターで働く若者を題材にしたドキュメンタリー。
同じく外国に生きる日本人として興味を持って見てみた。
2010年頃に作成されたドキュメンタリー番組のようで、
就職難の若者が『一見』手厚い福利厚生に惹かれて大連へ渡り、
どのような生活を送っているか…を紹介する番組構成だった。
大連での仕事は日本語さえできたらOKだし、
マンションも会社が用意してくれるので自分で契約する必要はない。
身一つで海外へ渡り仕事ができるので好条件に思われるけど、
仕事にやりがいがあるかと問われると――NOだと語っていた。
あたしは自分も同様に海外で仕事する立場として、
ドキュメンタリーで紹介される人たちについて思うところがあった。
ある若い男性は仕事の隙間時間を利用して中国語を学び、
今後に生かしたいと大連滞在の機会を自分で有意義なものに変えていた。
一方で、同僚の中国人たちが日本語ペラペラであることや
日本語だけで生活できる環境に甘えてしまい、
ただ大連でダラダラ過ごすだけの残念な人も対比として紹介されていた。
番組的にはそういう意図ではないだろうけど、あたしの目にはそう見えた。
前者の若者は日本へ帰国しても中国に残っても、あるいは第三国へ渡っても、
しっかり人生切り開いていける素晴らしい人材だと思う。
後者の人たちは恐らくどこに身を置いても結局は中途半端なままで
自分で何も努力しないのに、社会が悪いとか言ってしまう類の人間だろう。
彼らのすべてを知るわけではないけど、失礼ながらそう感じ取った。
実はドキュメンタリーに出てきたのはこれだけの人ではない。
同じく中国国内で奮闘する日本人数名が紹介されていた。
その中の一人に、もともと日本で公務員だったが事情により辞職し、
転職活動に行き詰まって大連へ渡ったという背景を持つ方がいた。
正直大連のコールセンターなどの仕事は決して高給ではない。
地元大連の人たちの基本給より少し高い程度というレベル。
この元公務員の方も日系企業でひたすらPC入力作業を行うという仕事で、
現地採用扱いという背景からコールセンターほど待遇は良くない。
そのため、とにかく切り詰めて生活する様子をカメラの前で見せていた。
その方は職歴や経済的な理由から日本に帰って仕事を探すのは難しく、
中国国内で仕事を見つけて生活を続けるしかないと話していた。
目先の仕事に飛びついて大連へ渡ったものの、
その環境に流されて抜け出せないまま中国に居続ける――
日本に帰りたいけど貯金が十分に無いし、何より仕事もない。
中国にいました、日本語だけで仕事していたので中国語わかりません、
中国語わからないからどんな国かもわかりません……
こんな残念な人材を欲する企業が日本にあるだろうか?
番組内に登場した人は揃って『日本で仕事がない』と口にしていたが、
たぶん仕事がないのではなくて、希望する仕事に就けない、ということだろう。
実際選り好みさえしなければ、いろんな求人がある。
過去登録した複数の転職サイトから多くの求人情報が送られてくるし、
あたしの職歴に興味を持った企業からのスカウトやオファーも少なくない。
もちろん求人が多くても採用される保証はない。
何も考えず簡単に『仕事がない』と言えてしまうような人間を
まともな企業のトップは採用しないだろう。
後先考えずに海外の仕事に飛びつくリスクをわかっていなければ、
その後人生の立て直しが困難なのは容易に想像できるはずなのに。
それでもその道を選択せざるを得ないのは、なんだか残念に思う。
あたしは特別高い能力を持つわけではないし、
今後万一の時に日本で仕事探せるか…と考えた時、不安が無いわけじゃない。
運よく台湾で仕事に就けたことは、本当に感謝しかない。
だから必死に今の仕事で新しい経験を積もうと努力し続けている。
努力が必ず実を結ぶわけではないけど、努力しない人間には
何も残らないということをこのドキュメンタリーで改めて知った。
仕事がうまく行かない人、就職や転職に難航している人、
今一度自分の身の振り方を見つめなおして
冷静に自己分析してみるのがいいかもしれない。
って、それが一番難しいのだけど……
0 件のコメント:
コメントを投稿