2024年12月19日木曜日

☆感情と本能とリスク☆

大学時代の友達が、相手の身勝手な行為によって
望まない妊娠と中絶を経験してしまった。
当時のあたしは友達の体調やメンタルを心配する一方で、
何でそんなダメ男に振り回されたの?と不思議だった。

当時の友達の彼とあたしの彼は同じ年齢で
あたしたちより2歳下の高校生だった。
あたしと当時の彼はもともと部活の先輩後輩の仲だったから
彼も多少理性をもってあたしに接してくれていた。
でも友達の場合はすぐに体の関係を持ってしまったようで、
そこからズルズル相手の言われるがまま…となったらしい。

あたしの彼はあたしと会うときは必ず避妊具を持参し、
いつそういうことになっても大丈夫なようにしてくれていた。
高校生の彼はどうしても性的欲求に抗うことはできないし、
でも万一の時に自分一人で責任を取ることもできないから、
最低限のマナーとして当然だとよく語っていた。

一方、友達の彼は『俺のこと好きなら無しでもよくない?』と
避妊しないまま行為を繰り返していたという。
友達もその言葉に洗脳されたような状態でまともな判断ができず、
その無謀な言動を受け入れてしまっていた。
友達も頭では『これはヤバイ』って分かっていたはずなのに。

最近、日本の性教育は不十分だとネット記事で見かけた。
確かにそういう観点もあるかもしれない。
記事を見ながらこの友達の経験ともすり合わせて考えてみた時、
実は教育だけでどうにかできる問題じゃないのかもなとも思った。
友達の彼だってあたしの彼と同様の性教育を受けてきたはずなのに、
妊娠や病気のリスクよりも自分の欲求と快楽を最優先していた。
友達は彼をいつも庇って「私のことを独占したいから」だと
避妊しない理由を語っていたけど、それが男の身勝手さを裏付けてしまった。

あたしの彼はビビりで自己保身優先だったと言えばそれまでだけど、
結果的にその行動があたしのことも守っていた。
実は一度だけ、避妊具無しでしてみたいと言われて試したことがあったが、
彼が「気持ちいいんだろうけど、不安でその感覚が鈍る」と言い中断、
結局すぐに避妊具を装着していたし、その後無しですることもなかった。

その一方で友達の彼は、完全に独りよがりで友達への配慮がまるでない。
相手の歪んだ愛情にすっかり骨抜きにされていた友達は、
彼が口にする避妊しない理由を受け入れてされるがままになってしまった。
いざ友達の妊娠が分かるとこの男は『親にバレずに中絶できる病院』を
いろんな人に聞いて回ったというアホな行動をしていたのだから…

相手の愛情に酔っていた友達ではあったけど、彼といないときは冷静だったのか
『彼が避妊してくれる方法』をよくあたしたちに相談してきた。
本当は『そんな男別れなよ!』と言いたかったけど、
友達が本気で愛している人を悪く言うことはできなかったから
あたしたちで考えられるいろんな策を出し合った。
友達もその場では『次は絶対何とか対策する!』と言うものの
彼と会ってそういう雰囲気になると、甘い言葉に負けて拒否できなかった。

これは教育の不十分という理由だけで片付けられない。
結局は認識が甘かったが故の予期せぬ妊娠ではあったけど、
彼女もされるがまま彼の言いなりになっていたわけではない。
自分で避妊具を用意し、使ってほしいと言ったこともあったという。
20歳にもならない女の子が恥ずかしさと戦いながらそれを購入し、
必死に危険な行為はやめてほしいと何度も話したものの、
相手からの強い押しと甘い言葉に負けてしまった。
――これが教育だけで解決できるとは到底思えない。

 

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